目の悩み
公開日:2022.09.01 / 最終更新日:2022.09.01

目がピクピク(けいれん)する原因は?考えられる病気や対処法について解説

この記事の監修者

内野 美樹

ケイシン五反田アイクリニック 院長

目がピクピク(けいれん)する原因は?考えられる病気や対処法について解説

目次

急にまぶたがピクピクし始めて、いつの間にか終わっている…という症状を繰り返した経験はありませんか。ピクピクが気になりだすと、どうにも気持ち悪く感じてしまうものです。

このピクピクには早期の治療が必要な疾患が隠れていることがあります。
本記事ではまぶたのけいれんについて、原因から対処法まで解説していきます。

目がピクピクする症状とは?

目がピクピクする症状とは?

まぶたの一部が突然、けいれんするようにピクピクと動く症状が出る場合「眼瞼(がんけん)ミオキミア」である可能性が高いです。

眼瞼ミオキミアは、目頭の上下、目尻の上下の4か所周辺で、目の周りの筋肉がピクピクと震える疾患です。

前触れもなく始まり短時間で収まりますが、何度も繰り返すため、数ヶ月単位で継続することもあります。

ピクピクけいれんしている間は、視界に入る眼球周辺の皮膚がぶるぶると震えているのがわかるので、気になりだすとストレスを感じることもあるでしょう。

眼瞼ミオキミアと混同しやすい病気に「眼瞼けいれん」があります。

眼瞼けいれんは眼瞼ミオキミアと違い、まぶたのピクピクだけで終わりません。眼瞼けいれんは自分の意志とは関係なく、まぶたがギュッと強い力で閉じてしまう病気です。

決定的な違いは「まぶたの開閉のコントロールができるかどうか」です。眼瞼ミオキミアでは、目の周辺がピクピクするだけでまぶたの開閉には影響しません。
症状によって原因も異なるため、症状がピクピクなのか、まぶたが開けにくいのかを意識してみましょう。

目がピクピクする
「眼瞼ミオキミア」の原因は?

眼輪筋のイメージ

眼瞼ミオキミアは、眼球の周りに円状に存在する眼輪筋(がんりんきん)という筋肉が、勝手にピクピクと細かく震えだすことで発症します。

なぜ眼輪筋のけいれんが起こるのか、はっきりした原因がわかっていません。しかし、ストレスやドライアイ、体の疲れ、睡眠不足やカフェインの摂りすぎなどと関係していることが分かっています。

パソコン作業などで目を酷使することが多い、寝不足でよくあくびをするといったように、疲れがたまってくるとピクピクが始まるのです。

目がピクピクする際の
対処法や治療方法

目のピクピクはマッサージや生活習慣を見直すなど、自分の力で改善できることが多くあります。

目を適度に休める

眼輪筋のマッサージ

目の酷使によって眼瞼ミオキミアが発症する場合は、とにかく目を休めることを最優先しましょう。眼精疲労やドライアイからピクピクが始まる可能性があるからです。

目の酷使とは長時間パソコンやスマートフォンを見ること、VR機器やゲームをし続けるようなことなどです。

目を使う時間を減らし、眼輪筋のマッサージを併用するとピクピクが改善することがあります。

ビタミンB12などの栄養を摂取する

ビタミンB12の食品

ビタミンなどの栄養が不足しているために筋肉疲労を起こしやすくなり、その結果、眼瞼ミオキミアを発症することがあります。

積極的に摂りたい栄養素は、ビタミンB12です。

ビタミンB12は赤血球の形成に関わっており、神経と血液細胞を正常に保つ働きがあります。レバーや魚介、卵、牛乳に含まれています。

食事で摂りきれない場合はサプリメントを併用するのもよいでしょう。

カフェインを控える

できるだけカフェインの摂取量を減らしてみてください。

カフェインには神経を興奮させる作用があるため、摂りすぎると眼瞼ミオキミアを起こしやすくなったり、治りにくくなったりします。

カフェインはコーヒーだけでなく、エナジードリンクや緑茶にも含まれています。エナジードリンクを飲まざるを得ないような過酷な生活環境であれば、根本的な生活スタイルの見直しをするいい機会になるでしょう。

睡眠時間を十分に確保する

睡眠時間を十分に確保する

良質な睡眠をとるようにしましょう。成人に推奨される平均睡眠時間は6~8時間が目安ですが、重要なのは単純な時間数ではなく、質のいい睡眠ができたかどうかです。

質のいい睡眠とは、スムーズに眠りにつける、途中で覚醒することがない、スッキリと目覚められる、昼夜のメリハリがはっきりしている、といったものです。

良質な睡眠をとるためには、入浴する、寝る前のスマートフォンの使用を控える、起床時に太陽光を浴びるなどいくつも方法があります。

眼科を受診する

眼科を受診する

しばらくピクピクの症状が続き、食事や生活習慣を見直しても治る気配がないときは、眼科を受診しましょう。

ドライアイやビタミン剤の点眼処方をしてもらえる可能性があります。

眼瞼ミオキミアだと思っていたものが別の病気だと発覚することもあるため、症状が長引く場合は眼科医に相談してください。

目がピクピクする際に
疑われる別の病気

目のピクピクでは以下のような疾患も疑われます。

眼精疲労

眼精疲労イメージ

眼精疲労は眼瞼ミオキミアの原因の一つですが、眼精疲労の原因は実にさまざまです。単に目を酷使して起こることもあれば、眼疾患によって生じることもあります。

眼精疲労の原因として考えられるのは、合わない度数のメガネやコンタクトレンズの使用や隠れ斜視、白内障や緑内障などの眼疾患に伴うものなどです。

特に、隠れ斜視は気付かないうちに眼精疲労がたまってしまい、頭痛や肩こりなどの全身症状を引き起こします。

また、視野欠損が進行している緑内障では、休息しても見づらい状態が続き、疲労感が取れないことがあります。
目が疲れているだけなら休息をとれば解決しますが、休んでも眼精疲労が取れない、繰り返す場合は眼科を受診しましょう。

チック症

チック症は本人の意志とは全く関係なく、突然顔や体が動いたり(運動性チック症)、声を発したり(音声チック症)する病気です。

チック症が多いのは小児の男の子ですが、多くは一時的なもので、数ヶ月で自然と消失していきます。成人してからも症状が続き、悪化する場合は薬物治療も行なわれます。

チック症の最初の症状として、約40%に見られるのが頻繁に繰り返される瞬きです。自然にする瞬きと異なる、強くパチパチする症状が眼瞼ミオキミアと似ていると言えるかもしれません。

片側顔面けいれん

片側顔面けいれんイメージ

顔面けいれんは顔の片側に起こることの多い、顔面神経の病気です。眼瞼ミオキミアと違い、目の周囲だけでなく、目から口元まで、顔の半分が勝手にピクピクと動きます。

長期的に悪化すると、けいれんが強くなるほど顔のひきつれが起こり、自然治癒は望めません。

痛みを伴うことはありませんが、外見上の変化が著しいため、対人関係でストレスや影響を与えやすくなります。

原因は顔面神経が脳の中で血管に接触し、圧迫されるためです。完全な治療には手術が必要となりますが、顔面の筋肉にボツリヌス毒素(ボトックス)を注射してけいれんを抑える方法もあります。

VDT症候群

VDT症候群イメージ

VDT(Visual Display Terminal)症候群とは、パソコンやスマートフォンなどのデジタル端末によって起こる目の症状や精神症状のことです。

単なる眼精疲労と異なり、目の乾きやかすみ、視力低下の進行といった眼症状だけでなく、倦怠感や手指のしびれといった全身症状も現れます。

さらに、自律神経が乱れてイライラしたり抑うつ状態になったりと、精神的な症状も見られるのが特徴です。

適切な距離でのデジタル機器の使用、度の合ったメガネを装用する、空気が乾燥しないように加湿器を置くなど、環境の改善によって症状が軽くなることがあります。

眼瞼けいれん

眼瞼けいれんは眼瞼ミオキミアと同じく、目の周りの眼輪筋に異常が起こる病気です。眼輪筋はまぶたを閉じる動きに関係しており、眼輪筋が極端に収縮すると、まぶたがギューッと強い力で閉じてしまいます。

一度まぶたが閉じてしまうと自力で開け閉めすることができず、手でこじ開けるしかなくなります。眼輪筋は瞬きの動きにも作用しているので、眼瞼けいれんの初期ではドライアイのような乾きやショボショボとした違和感を感じることがあります。

脳の神経支配に異常が生じるためと考えられていますが、はっきりした原因はわかっていません。

治療方法としては、眼輪筋へのボツリヌス毒素の注射が有効です。ボツリヌス毒素はけいれんの元になっている過剰な神経の働きを抑える作用があるため、こわばった筋肉の力を緩めてくれます。
1度の注射で効果は数日後から出始め、2~3ヶ月は持続します。

まとめ

目のピクピクで最も可能性が高いのは眼瞼ミオキミアです。眼瞼ミオキミアはストレスや疲労から起こることが多く、特別な治療法はありません。
質のよい睡眠と十分な休息、目の周りのマッサージなどできることは色々あります。
一方、眼瞼けいれんや顔面神経けいれんといった、治療が必要な疾患が潜んでいる可能性もあります。
ピクピクが数ヶ月続き、顔全体に広がってくるような症状があれば、必ず眼科を受診しましょう。

なお、眼精疲労については『眼精疲労とは?原因・症状・治療・予防方法等をご紹介』も参考にしてください。

監修者プロフィール

内野 美樹

ケイシン五反田アイクリニック 院長

HP:https://www.keishin-eye.com/

山梨医科大学 医学部卒業後、慶應義塾大学 眼科学教室入局。米・ハーバード大学 公衆衛生学修士取得。慶應義塾大学 眼科学教室 特任講師。
眼科のなかでも「ドライアイ」を中心にした角膜の疾患を専門とする。日本におけるドライアイについての疫学研究の第一人者であり、近年増えている長時間のパソコン作業によるVDT(Visual Display Terminal)症候群などの研究を行っており、日本のドライアイの有病率、パソコン使用時間とドライアイとの関係について世界で初めて証明した。ドライアイにつながる危険因子を研究し、ドライアイ診断に関する国際的な基準づくりにも携わる。
予防医療の啓蒙活動にも力を入れ、『しまじろうとEye Care Book』幼稚園や保育園の先生の目の教科書となるような『子どもの目見守りサポートBook』を作成。
目の健康について学び、セルフケアができるよう、『ナカナイ涙』などのWebサイトの監修も手掛ける。

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